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ウルフパック創設20周年記念コレクション
WOLFPACK WINNING MACHINE
このジャージを手がけたのは著名デザイナーのLander Wynants。クイックステップのこれまでの歴史を統合することによって表現。世界中のファンにとって親近感の湧くデザインと、サイクリングの歴史の中でも特別な瞬間を表したデザインとなっている。
それはただ20年の歴史を繋ぎ合わせたものではない。掛け合わせるバランスを大事にし、色使い、着心地、カットの絶妙なコンビネーションを探りながらオーガニックなビジュアルを完成させた。彼らの強さが乗り移ったかのように。
LANDER WYNANTSとは一体だれ?
グラフィックと映像デザイナーとしてキャリアをスタート。映画やテレビのアートダイレクターも務め、タイトルシーンやポスター、テレビのブランディングプロジェクトも手がけてきた。その後、サイクリング業界にも進出し、ジャージやポスター、雑誌媒体のデザインなど幅広いジャンルで活躍を続けている。
彼のサイクリングに関する子どもの頃の思い出は、愛してやまない祖父との日々の中にある。1940年代から続く小さなバイクショップを営む家庭に生まれた彼は、バイクパーツに囲まれて幼少期を過ごした。庭にパーツを広げてショップごっこをして遊んでいたそうだ。幼い頃から祖父と昔のロックミュージックを聴きながら、ショップで一緒に働くのが大好きな少年だった。
WOLFPACK DE MUUR
このジャージはJoost Jansenによってデザインされたもの。サイクリングの中で最も重要なレースの一つに挙げられるツール・ド・フランダースを表現したジャージ。
背面にはウルフパックを背負って高速で進むサイクリストを表現。全体的な描写に隠れ込むようなビジュアルとなっており、それぞれのパーツがバランスよく配置された意図が垣間見えます。
前面は、サイクリストがフランダースの代名詞である石畳の激坂を登る様子が見てとれます。ウルフパックも彼を引っ張るように走り、観衆と一般的な教会も描かれたデザイン。カラーとラインがいくつも重なり合い全体像を抽象化していますが、よく目を凝らせばストーリー性のある設計を読み解くことができるはずです。
狼と共に石畳を登り続けるサイクリストの小さなストーリーがここに。
JOOST JANSENとは一体だれ?
アーティストであり、カラフルな手書きアニメーションを制作するスペシャリストでもある。漫画チックな要素に、都会の街並みをアクセントとして取り入れ、コミック風に表現するのが彼のスタイル。
フランダース地方で育ち、常にサイクリングが生活の中にあった。だからこそ彼が表現するデザインには、幼少期に感じたエッセンスが詰まっている。現在はベルギーのブリュッセルで小さなスタジオを所有し活動している。
WOLVES IN HELL
最後はEltipoによって描かれたデザインジャージをご紹介。世界でも最も古いレースの一つであるフランスのモニュメントレースが組み込まれている。
背面は「北の地獄」を表現。パリ〜ルーベの通称として知られるニックネームだ。
前面は「地獄の中のウルフ」をイメージしている。
事実としてパリ〜ルーベは過酷なレースとして認知され続け、雨が降り注いだ日には多くのライダーを苦しめる地獄絵図と化す。埃も大量に巻き上がり、レースの風物詩と言える現象だ。その全てをジャージのデザインが表現している。
赤い点々は、怪我人が多く出るレースでも知られることから、ライダーの血痕を形容している。少し恐ろしい気もするが、それがまたレースのリアルな状態を的確に意味している。
ELTIPOとは一体だれ?
ベルギーのアントワープに住むグラフィックアーティスト。彼の作品はタイポグラフィーによって表現され、異なるテクニックと材料を駆使して際立つユニークなスタイルを完成させる。
幼い頃は友人とBMXに熱中し、ジャンプ台を自分達で作って技を磨いていった。プロの世界へも飛び込み、レースに明け暮れる日々を過ごした時期もある。
父親は車の整備ショップを営み、そこで父が使用していた塗料を使って練習や実験を繰り返していた。BMXの車体からヘルメット、ロードバイクに単車、そしてジャージまであらゆるものにペイントすることでセンスを磨いていったのだ。
GIRO
こちらもLuisa Meniniによってデザインされた限定ジャージ。シロ・デ・イタリアに敬意を表したデザインとなっている。
青はクイックステップのチームカラーでもある。2003年チーム創立当初の初代クイックステップジャージの縫製パターンを所々にあしらったノスタルジックなデザイン。
もう一つの特徴はジッパーに注目してほしい。ジロの優勝トロフィーをモチーフにし、ピンクジャージに使用されているジッパーと同じものが採用されている。
LUISA MENINIとは一体だれ?
デザイナーとしての情熱は途絶えたことのない真のアーティスト。サイクリング業界に18年間携わる知る人ぞ知る人物だ。
カステリとの仕事はいつも刺激的だと語る彼女。幼い頃からサイクリングに魅了され、トレーニングを積んでいた時期もあったそう。それから月日が流れ、サイクリング界で働くチャンスが舞い込んできた時に彼女は迷わず飛び込んだ。
この業界でデザイナーとして仕事が出来ることに日々喜びを感じ、インスピレーションを研ぎ澄ます毎日を送っている。